「掌編」のエッセンス。

僕の掌編のアイデアは、ぽんと浮かんだ印象的なシーンに関する「キーワード」を携帯の「メモ帳」に打ち込むことから始まる。
掌編はほとんどスナップショットを撮るような感覚で、起承転結を踏まえたストーリーを構成して文を流していくというよりは、その印象的なシーンをいかに「印象的」たらしめるかを念頭において、前後に文章を配置する、という感じに書く。

なので、掌編を読む、というのは、「小説を読む」というより「絵画や写真を見る」という感覚に似ている。

枠からはみ出た余白やいきさつは、見る人(読む人)の裁量で自由に想像できる、というのが特徴。

僕も一人の読み手としてみると、作者の思惑や嗜好を一方的に押しつけられていく書物より、「ざっくりこんな感じに書いてみたけど、足らないところはあんたの方で勝手に妄想してね」という、人によっては甚だ「不親切だ」と憤るくらいなものの方が結構好きだったりする。

まあ、これは個人の嗜好の問題だから、これがいい小説だ、とは言うつもりないけれど。
従って、僕の書く物も、大体そのように書かれているはずなので、大いに妄想してみてください。

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