1,500文字の超短編小説「ポケットノベル」、着々。

高橋です。お久しぶりです。

ひたすら拘り続けてきました1,500文字の超短編小説「ポケットノベル」も、現在18編を数える程になってきました。20編になったら、一度電子書籍にまとめてみようと思っています。

テーマも文体も、その時その時のフラッシュアイデアや発想に頼り切りで様々ですが、自身の中では、毎度微妙に実験してみたり、新しい分野に挑戦しているつもりです(殆どの方には気が付かない程度に…)。

「1,500文字」という分量は、書こうと思えば30分もかからずに書き切れる程度のボリュームですが、それがどうして、これまで、毎日1~2時間程度の執筆時間でも、一息に書き上げたものは一編もありません。短い小説だからこそ、むしろ長編を書く以上に無駄なく、丁寧に言葉を探し当てなければなりませんし、限られた字数の中で、どれだけ効果的で印象に残る文章にしなければいけないかを考えながら書きますから、思ったより時間が掛かります。

とはいえ、実際は3時間くらいかけて、ラフスケッチのように一度最後まで書き上げてしまってから、何度も修正、ブラッシュアップし(その作業に、実際に書き上げる3倍以上の時間をかけます)、完成に近付けるという方法をとっています。この「修正作業」をしている時間が、自分にとっては一番愉しい時間です。出会った頃は色気のなかった普通の女性が、僕と出会うことで女らしくなったり、艶っぽい一面を垣間見せたり、魅力的な女性に成長していく様を側でどきどきしながら、時にはらはらしながら見守っている、そんな感じです(ちょっと例えが妙ですが…)。

それにしても、このサイズの小説に特化し始めて気付いたことですが、実に僕の性格に合ってるな、と。とにかく飽きっぽい、移り気、集中力が持続しない、惚れっぽい等々(笑)。長編小説のように、複雑に絡み合うようなプロットを考えたり、伏線をひいたり回収したり、じっくり腰を落ち着けてロングランで書くという心構えを持つことが、年を経るごとに、実に困難になってきているなあ、と実感しています。

恐らく、その原因の一つには、今の仕事もそうさせているのではないかと。顧客からの要望やクレーム、組織管理や管理職としての上意下達をひっきりなしに、それこそ恐ろしい程の決断スピードを伴なった日々を過ごしていると、頭脳もそのように処理していくことに「慣れて」しまうといいますか。はい次。はい次と、正にやっつけ仕事のように。一つの事象について、長いタームでベストな方策を模索している時間も余裕も本当にないんですよ。

やっつけ仕事みたいに「小説」を書くという意味ではありませんが、ただ、ダイナミックな構造を持った、様々なキャラクターが入り乱れる長編小説のようなものを書くというのは、現状早朝1~2時間程度の執筆時間では中々ハードでタフな作業です。

一つのテーマを短期集中型で一気に書いて、いっぱしの女性に育て上げて、一週間くらいでぽん、と世に出していく、という現状のスタンスが性に合っている気がしますし、何しろ、精神衛生上、実に心地良い。

もちろん、将来仕事をリタイヤでもして時間がとれるようになれば、長編小説を書きたくなる時がくるかもしれませんが、今はただ、「短編小説」というボリュームゾーンにだけは、拘り続けていきたいと思っています(1,500文字より更に短い小説だってありだと思います)。

僅か数分で読み切ってしまう超短編小説であっても、どれだけ広い世界観を、どれだけ深い味わいを創造できるのか、もう少し挑戦していきたいと思っていますので、是非引き続き叱咤激励の程、宜しくお願いいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)