超短編小説「傘」

 その傘は、学生時代の彼女から貰った物だった。千鳥格子のサテン生地、重みのある精巧な骨組み、手に馴染む木製の持ち手など、どれをとっても上質だった。銀座三越で買ったの、と彼女は言った。銀座三越ならいい物に決まってる、と男は...

ぼんやりした夫婦

ぼんやりした夫婦

 帰宅すると、妻はそのまま私をリビングに招き入れ、【ぼんやりとした不安】を見せた。ここまではっきり分かる程巨大化してるとなると、もう随分前から存在していた筈だった。その見た目からして何らかの形で処分しないと、いずれ我々の...