言葉って、いい。
人を元気にさせられる。
人を笑わせられるし、勇気を与えられる。
知識を教えてあげたり、たくさんの愛で満たしてあげることだってできる。
つまり、たくさんの人を、たくさん幸福にすることができる。
でも、時々、人を傷つけたり、泣かせたり、悲しくさせたり、寂しい思いをさせたり、場合によっては、その言葉のせいで、生きていく希望も望みも失ってしまうことだって、あるかもしれない。
それでも、ぼくは決して言葉を捨てない。疑うこともせず、裏切ることもしない。
言葉を見つめ、抱きしめてみたり、撫でてみたり、ひょっとすると呑み込んでしまうことだって。
傷ついた心をいたわれるのも、八方ふさがりの壁を壊すことができるのも、もうちょっとだけ、生きてみようかと思えるのも、だれかが世界に叫んでくれた、だれかが静かに囁いてくれた、だれかがぼくだけのために、ぼくだけを思って語ってくれた言葉しかないのだと、信じているから。