同僚・リベンジポルノ

【掌編小説】同僚

「ところで」と、男の同僚は話題を変えた。同僚のウイスキーグラスは既に空いていた。男は時計を確認したかったが、次の言葉を待つしかなかった。会社の経営状態が酷く悪化していることや無能な上司の話には、いい加減うんざりしていた。...

盗難

盗難

 終電の改札を抜けて住宅地に入ると、突然人影はなくなった。週始めから飲んだくれている奴など、この町にはいないのだ。路面は今しがたまで降り続いていた雨で濡れ、街路灯の明かりが染みのように反射していた。越してきて間もない男の...

布団(短編小説「熟睡」)

熟睡

 何時まで寝てるのよ、と頭越しに妻は怒鳴り、玄関にごみ袋を放り投げた。代休なのに朝寝坊も出来やしない。混線した寝癖を水で撫で付け、ダウンコートを羽織った。一日出し忘れたからといってどうだというのだ。トイレの汚物をドラッグ...