恋愛小説

恋愛に関する雑文

初めて君を抱くまでに、僕の好きだったもの。僕が映りこんだ麗しき瞳。黒く長いつけ睫毛。艶やかな厚い唇。時々口の端から覗く八重歯。色白で華奢な二の腕。小さいけれど、つんとせり出した胸。タイトなスキニージーンズ。黒革のロングブ...

【不倫に関する自由詩】月曜日の恋人

私が勝手にそう呼んでいる、あなたの外回りと、私の仕事の休みが重なる唯一つの時間、あなたには奥様もお子さんもいるから、週末の休みを一緒に過ごすことはできないし、太陽の下で手を繋ぐこともできないし、二人で夜明けを迎えるなんて...

広いインターネットの中で

書くことは、生きること。

「書くこと」と「生きること」は常に同時進行であるべきだと思う。「書くこと」に没頭し過ぎると「生きること」を忘れる。「生きること」を忘れると「生きた小説」は書けない。「生きた小説」が書けなくては、小説を書いている意味などな...

潜る妻。超短編小説

愛って何?

「所詮、女は」と思った瞬間、総ての女をそう括るようになる。恋人や妻に対しても。「今までの女とは違う」と直感したから、付き合ったり、結婚したりしたはずなのに。恋愛や結婚は、時に不条理であり、不可解である。それは「愛」という...

恋愛。

「いて欲しい」と思う時…「君」はいない。「いてくれる」と言った時…僕には「君以外」の誰かがいる。その誰かを「君」ほど好きに思ったことはない。「君」を求めると「君」は去り、やがて「君以外」の誰かも去っていく。僕の恋愛は、ず...

寂とした朝に。

自分の未来がどうなるかなんて、わからない。これまでだって、わからなかった。ちょっと先の人生、どうなっているのだろう。40も過ぎて、妻子いるくせに、どっちつかずの自家撞着、どこまでいっても煮え切らない。何やってんだろう、俺...

五秒の寡黙。

自分が何か文句を言いたくなったら、ぐっと息を飲み込んで、十秒、いや五秒でもいいから、もう少しだけ、相手の話に耳を傾けてご覧。お互いがそうするだけで、今までよりももっと素敵な関係になること間違いないから。

愛されてますか?

男に愛されているかどうかは、身体を重ねた後の、口づけが一番分かりやすい。行為で愛しているフリはできるが、口づけで嘘はつけない。自らの欲求を果たした後でさえ、何度も優しく唇を重ねようとする姿こそが、愛のある男の姿。

「主張なきロック」

「主張なきロック」をやろうという話になった。大学時代のバンド活動。昔のロックは、人種差別、国家体制への批判、戦争反対、恋愛の悩み、そんなものがテーマだった。若さゆえのエネルギーをロックという音楽に乗せ、力任せにぶつけた。...

狂ったように。

狂ったように聴いた、ロックンロール。狂ったように読んだ、詩と小説。狂ったように吸った、メンソール。狂ったように飲んだ、バーボンウイスキー。狂ったように抱いた、行きずりの女。四十を目前とした今、そのどれもが僕の生活から姿を...

百人の読者を万遍なく満足させる小説よりも、たった一人でいいから、人生を変えてしまうくらい熱狂させる小説。そんな小説を、僕は書いてみたい。夢。

家庭不和

土日はゆっくり休みたい夫。土日こそ家族サービスしてくれると期待する女と子供。家庭不和は、あらかたこの辺りの齟齬から始まっている。

ラフより。

(息子)ねえ、パパ、あの人たちは何をしているの?(父)あれは、「ゴルフ」っていうスポーツなんだよ。長くて堅い鉄の棒を使って、小さなボールをひっぱたく。最後に、穴に入ればゴールさ(息子)穴に入ればいいなら、打たないで、持っ...

優しい別れ方。

差出人:auto-mailing system189998宛先:kouchan1970○○○@docomo.ne.jp件名:久しぶりだね(^з^)-☆Chu!!本文:こうちゃん、元気? 美由紀です。心配かけてごめん(To...

婚外恋愛

飛びきり豪華なホテルの部屋で100万回キスするよりも100万回抱き合うよりもたった一度一度だけでいいから明るい太陽の下仲良しの夫婦や恋人みたいにお互いしっかり手を取り合って二人並んで歩きたい

フィルター

最初に君を見たのは、生まれたばかりの保育器の中だった。次に君を見たのは、お遊戯をしている君の姿を、ビデオカメラに収めている時だった。その次に見たのは、ウェブカメラを通して、単身赴任先の僕を不思議そうに覗く君だった。それか...

勘違い

白紙の前では、僕は天才になれる。何も書かれていないキャンバスは、あらゆる可能性に満ちている。凡そ人の想像しうる限りの物語、例えばギリシャ神話や聖書を超えるものすら書けるかもしれない。しかし、勢い勇んで書き始めるや、僕は一...

香水

いつものホーム。いつもの面々。人波に押され、急ぐ改札。人いきれの中、懐かしい匂いが僕を捉える。とても良く知っている、香水の香り。僕は後ろを振り向く。こんなところにいるはずがない、と分かっているのに。抱きしめる度に何度も嗅...

気が利く人生。

気が利かない、僕の人生。気の利いた会話もできなければ、気の利いた言葉を呟くこともできない。気の利いた服を着ることもできなければ、気の利いたキスを交わすこともできない。それから、気の利いた小説を書くことも、気の利いた料理を...