狂ったように。

狂ったように聴いた、ロックンロール。
狂ったように読んだ、詩と小説。
狂ったように吸った、メンソール。
狂ったように飲んだ、バーボンウイスキー。
狂ったように抱いた、行きずりの女。

四十を目前とした今、そのどれもが僕の生活から姿を消した。
僕の目の前にあるものはただ、目の前にあるリアルな「生活」だけだ。

おそらく、おそらくだが、今必要としないものは、生涯必要ないだろう。

そして次に僕の生活から姿を消すものは、一体何なのだろう。

あまりにも味気ない、悲しき人生なり。

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