最初に君を見たのは、生まれたばかりの保育器の中だった。
次に君を見たのは、お遊戯をしている君の姿を、ビデオカメラに収めている時だった。
その次に見たのは、ウェブカメラを通して、単身赴任先の僕を不思議そうに覗く君だった。
それから君は間もなく、とても重い病と闘うため、透明なシートに覆われた無菌室の中にいた。
そして最後に君は、君の背より何倍も高い祭壇の上から、別れを惜しむたくさんの人に静かな笑顔を振りまいていた。
とどのつまり、僕は一度だって君を、僕の瞳だけで見ることはなかった。
最初に君を見たのは、生まれたばかりの保育器の中だった。
次に君を見たのは、お遊戯をしている君の姿を、ビデオカメラに収めている時だった。
その次に見たのは、ウェブカメラを通して、単身赴任先の僕を不思議そうに覗く君だった。
それから君は間もなく、とても重い病と闘うため、透明なシートに覆われた無菌室の中にいた。
そして最後に君は、君の背より何倍も高い祭壇の上から、別れを惜しむたくさんの人に静かな笑顔を振りまいていた。
とどのつまり、僕は一度だって君を、僕の瞳だけで見ることはなかった。