補記。
僕は人間としてのあるべき姿や理想の生き方、あるいは哲学、人生訓を示唆するような小説なんて、きっと書けない。
または波乱万丈の大恋愛物とか時空を行き来するファンタジーとか複雑なトリックが絡み合うミステリーとか。
世の中の権威ある人達からみたら、僕の書く物なんて、吹けば飛ぶようなちっぽけな「耳垢」程度のものかもしれない。
けれど、僕は「耳垢」に関しては、世界の誰よりも「上手く」書ける小説家になりたい。誰にも追いつけないくらいくらい、「耳垢」をリアルに書く小説家。
僕の目指す「ニッチな小説」とは、そういうことだ。